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はじめに

1章・・・外食産業 
     1−外食産業の現状
     2−ファーストフードとは
     3−マクドナルドの強み

2章・・・マクドナルドの変遷

3章・・・マクドナルドのこだわり
     1−QSC+Vとは
     2−Made For You

4章・・・販売促進半額セールについて

5章・・・経営戦略
     1−店舗開発
     2−広告活動

6章・・・マクドナルドの流通

7章・・・マクドナルドの環境活動
     1−資源、省エネ対策
     2−バリアフリー

8章・・・将来の展望

おわりに

            19期生目次へ戻る。


はじめに
 
 マクドナルドといえば、ハンバーガーという連想は、誰にでも容易にできることであろう。それだけでマクドナルドの企業内容は認知されており、親しみが持たれている企業であるといえるはずである。
 外食産業は、戦後、ライフスタイルの変化に伴って飛躍的な躍進を遂げた。人々は、西洋の食品にも慣れ、徐々に米離れを起こし、ハンバーガーという異国の食品も受け入れることができた。
 一見マクドナルドは、失敗を経験していない優秀な企業のように見られる。しかし、一般論として失敗を経験しない企業は、無いはずである。そこで、私達は、マクドナルドがどのように発展し、また将来、21世紀という新世紀を迎えた時、マクドナルドはいかなる挑戦、戦略を持って飲食業界の頂点に君臨し、繁栄させていくことができるのかということに興味を持ち調べていくことにした。



第1章 外食産業

1−1外食産業の現状

 我が国、日本では戦後、高度経済成長を遂げライフスタイルが変化してきた。それと同様に食生活も多様化してきた。また家族の在り方も戦前とは異なったものとなっているのも確かである。最近では、女性の就職率の増加による家事労働時間の削減や、家族の個々の独立した生活により、一昔前まではお茶の間で話をしながら食卓を囲むということが通常であったが、今日では食事を家族全員でそろってとる、ということが難しくなっているのが現状である。前述したように、女性も男性のように仕事をするようになったことから、家庭内の食事も出来合いの惣菜などで済ませることも少なくない。つまり、外で買ってきたものを家で食べるという"中食"の割合が増加傾向にあるのだ。そして、仕事を持つ男性はその仕事の忙しさから、食事は手早くファーストフードなどで済ませることも多くなってきているというのだ。また、受験戦争の激化などに伴って、今では小学生や中学生もが外食回数を増加させているのである。そしてひとり暮しをする学生などにとっては、ほとんどの食事を外で済ませてしまうのである。このことから現代人は、確実に外食依存度が高い傾向にあることがわかる。
 
 一口に外食産業と言ってもその業種や業態は様々である。外食産業は、大規模チェーン店による飲食業界の総称で、一括仕入れ、集中調理方式(セントラルキッチン)、統一メニューなどがその特色である。レストランやファーストフード店はもちろんのこと居酒屋、喫茶店などもそれに含まれる。
 
 それでは、現在の外食産業の動向はどのようになっているのであろうか。上記では、現代人は外食に依存する傾向にあると述べた。もちろんそれは事実である。しかしバブル崩壊後の消費低迷によって「ハレの日の外食」頻度が低下し、外食産業全体で苦戦を強いられる状況に陥ってきているのも確かなことである。90年代半ばには、業界全体で低価格化が進み、「価格破壊」とまで呼ばれてきたが、それも一段落し、サービスの向上などの高付加価値を求める動きと低価格を求める動きで二極分化が進んできたと言える。 また同時期には、ホームデリバリーやテイクアウトなどが消費者に支持され、内食回帰と騒がれていたが、近年では、中食、それも本格的、本物志向のテイクアウトが再び見直されて来ている。
 
 売上別にランキングで見てみると、マクドナルドは1982年以降小僧寿し本部を抜き、不動の一位を築き揺るぎ無いものとしている。過去5年の間では、おにぎりや持ちかえり弁当などのほっかほっか亭が2位に着き、3位は洋食全般のすかいらーくが後を追っている。
 
 ファーストフード業界のパイオニア的存在である、日本マクドナルドが独自の店舗開発による大量出店と、引き続き行われているバリュー価格の政策で、更なる売上拡大に成功を収めている。しかし一方では、徹底した品質本位でオーガニック食材を使用し、健康・味覚面で勝負するモスフードサービスも好調に実績を伸ばしてきている。ハンバーガー業界もそれぞれの特色を活かした戦略ですみ分けされてきたといえるだろう。
 
 また、同業種のドーナツ店に於いては、吉野家ディー・アンド・シーのダンキンドーナツが同市場から撤退し、ミスタードーナッツの独占市場となったことが新しい動きである。喫茶業界では、従来からのルノアールなどの喫茶店、コーヒー専門店に代わってドトールコーヒーなどの低価格コーヒーショップ、ベーカリーカフェといった"カジュアルでより値頃感の強い本格メニュー"を提供する業態が活性化している。特に低価格コーヒーショップは、96年のスターバックスコーヒージャパンの新規参入を起爆剤に各社共、新奇性の高いメニュー展開で差別化を図って、顧客の開拓を進めており、今後、上位主要チェーンの動向がより注目される。
 
 最近の外食産業は好調な企業が多く存在する一方で、撤退や倒産なども少なくない。全体としては、厳しい市場環境にある外食産業で、参入企業が依然としてスクラップ&ビルドを進め、特に新規出店は控えられる状況にあるものの、一店舗当たりの売上高は上向きつつある。

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1−2 ファーストフードとは
 
 今度は、外食産業の中のファーストフード業界に焦点を当てて見ていくことにする。まずファーストフードの定義付けをしておく。ファーストは英語で「fast」、つまり早いという意味であり、注文してすぐに提供される簡単な食品を指す。ハンバーガーやホットドック、牛丼などがこれにあたる。また、通産省の定義によれば、「客単価が700円未満で、注文から3分未満でカウンターでの手渡しや、セルフサービスで料理を提供する店」となっている。
 
 そもそも日本でのファーストフードの起源は、江戸にまでさかのぼる。当時の江戸では町作りに全国から集まってきた多数の労働者のニーズに応えて、屋台で簡単に食べられる蕎麦、麦切り、餅などを提供していたという。その後、江戸と上方でそれぞれの発展をとげ、これを基盤とし明治以降、国際化の影響を受けながら更なる発展をたどり現在に至っている。
 
 それではファーストフードの代表格である、ハンバーガーチェーンに話題を移すことにする。日本のハンバーガー業界では、マクドナルドが圧倒的なシェアを占めていることは言うまでもない。その後にモスバーガーやロッテリア、ドムドム、ファーストキッチン、バーガーキング、ウエンディーズなどが付随しているが、その差は広がるばかりである。
 
 日本のことを説明する前に、まずハンバーガーの本家、アメリカの動向を見てみよう。アメリカからやってきたマクドナルドは米国でもトップなのであろうか。
 
 米国のハンバーガーマーケットは全飲食店売上の16.1%を占めている。ちなみにピザのシェアは5.5%、チキンは3.6%である。このことから、ハンバーガーチェーンは好調なのが分かるであろう。98年時点で売上順位100社までの売上の伸びを見てみると、バーガーキング社の伸び率順位は16位、タコベル32位、ウエンディーズ33位、マクドナルド48位となっている。アメリカでは全く状況が異なっていて、バーガーキング社がトップの座に君臨しているのである。
 
 マクドナルドがトップではない。その理由はいくつかあげられるが、メニュー、製造、販売形式に差別化を行い、どのハンバーガーチェーンも皆個性を出し日本のように他社がマクドナルドを見習うのではなく、その逆をしているからである。
 
 日本では、マクドナルドが先陣を切ってサンキューセット(セットを390円で販売する)などのバリュー価格に取り組んだが、アメリカでは、低価格戦略を開始したのはトライコン社の傘下である、タコベルのリエンジニアリングが始まりあった。タコベルはメキシカンフードチェーンである。タコベルでは、まず顧客が何を欲しがっているかを調べた。その結果、美味しい食事を早く、温かいうちに、きれいな店内で食べたいと言うことであった。そこで経費を見直し商品販売価格を大幅に下げることに成功し、メキシカンフードの健康的なイメージにより、さらに大成功を収めたのである。そこでマクドナルドを含め他社も低価格戦略の路線に変更せざるを得なくなり、バリューミール戦争に突入したのである。 80年代末は、アメリカの景気は最悪であり、現在の日本の状況と似ており全て価格指向になっていたのである。またタコベルは、商品戦略だけでなく、出店戦略にとらわれず、従来のファーストフードマーケットでない場所に出店を拡張し、売上を大幅に上げたのである。
 
 アメリカのハンバーガーチェーンは、マクドナルドの真似をするのではなく、かえってマクドナルドのできないサービスや、商品を開発して独自性を出してマクドナルド社に対して差別化を目指しているのである。
 
 日本では、前述したようにマクドナルドが独走体制にある。99年度12月の決算で、売上高、計上利益とも過去最高を記録した。また6期連続の増収増益を記録している。日経ネットの99年度飲食業ランキングでは、全飲食業の中でもトップである。その後を日本ケンタッキーフライドチキン、モスバーガー、ロッテリア、フレッシュネスバーガーなどが追っている。モスバーガーやフレッシュネスバーガーは自然派で、原料にも気を遣い、無農薬製品や有機栽培などの製法で作られた材料の調達をしている。後者の方は、喫茶店的な要素も取り入れている。また両社は出店に関しても、どちらかといえば住宅地などの閑静な場所を好むことが多い。これは他社と大きく異なる点である。しかし、それらのハンバーガーチェーンもマクドナルドにとって、競合といえるレベルではない。なぜならそれはマクドナルドに対応できるだけの独創的な発想と、積極的な対応ができないからである。これは他社が、マクドナルドを見ていないから対応が遅くなったのであろうと思われる。
 
 問題としてあげられるのは2点ほどある。1つは、他社が低価格路線に付随できなかったことにある。まずマクドナルド社は、商品の規格を全世界統一にしており、あらゆる原材料を世界中から一括で購入することが可能であり、大幅に安く調達することができるからである。また、他社がフランチャイズ店へのロイヤリティーが低い分、商品の売上からマージンを取っているという点が足かせになっている。そのために、供給する商品の単価を下げるより、単価の高い商品の開発が中心になり、低価格の商品の販売が遅れることになったのである。
2番目の問題点は技術的な遅れである。マクドナルドが急成長をとげたのは、低価格戦略と同時に損益の低いサテライト店を多量に出店したことにある。小型店舗にを可能にしたのは、性能の良い安い機械を世界中から購入し、またサテライト店の管理を社員だけでなく、そのほとんどをアルバイトが管理するという制度をとり、人件費を大幅に下げた。そのおかげで、マクドナルドは損益分岐点をモスバーガーより低くすることが可能になったのである。それらがバリューセットや、通常の価格の半額で販売するという事にもつながるのである。
 
 アメリカで元気の良いバーガーキングや、ウエンディーズは、日本では勝手が違うようである。2社の一番の課題は、日本側のジョイントベンチャーパートナーである。バーガーキングは日本に進出してまだ数年だというのに、もうパートナーが変わっており、ウエンディーズも、日本側のパートナーであるダイエイグループの業績不振という問題を抱えており、アメリカのように順調ではないようである。しかしながら、両社の都心での大型店舗の売上は、かなり順調であり、今後の店舗展開によっては、今後大きく伸びる可能性も高いといえるであろう。
 
 いずれにせよ現在のハンバーガチェーン業界はいかに低価格で商品を販売するかという点に重点がおかれているといえるであろう。マクドナルドのハンバーガーの半額セールにしてもロッテリアのシェイクが今年の夏に100円で販売されていたことにしても、いずれも低価格戦略での勝負であることは明らかである。

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1−3マクドナルドの強み

 売上がナンバーワンということは、それだけ顧客からの支持が厚いからであり、その結果が売上や利益につながったと考えて良いだろう。では、マクドナルドの顧客には、どのような年齢層の比率が見られるのであろうか。マクドナルドのハンバーガーをよく買う客層は15.6歳から25.6歳までの若い人達である。亜細亜大学のあるクラスでアンケートをとったところ、それによれば、マクドナルドは利用頻度が第1位である。またよく利用する店でもモスバーガーに僅差でトップを譲っているものの、2位に位置付けている。学生にとってもマクドナルドは人気がある。安くて気軽に入れるというところが受けているのであろう。現代人の食生活は西欧化しており、インスタント食品に慣れ親しんでいる若者達にはハンバーガーを食べるということは、抵抗が無いようである。しかも、今年の2月から始めた"ハンバーガーが平日半額になったこと"はより一層の顧客増大を招いているのである。そして若者の間で 、そこは食事をする場所でもあるが、時間をつぶせる場所としても認識されており、それも人気の秘密であるといえる。またマクドナルドでは、ハッピーセットやプレイランドの併設をし、幼児にも親しまれている。幼児がマクドナルドに来るということはということは、必ずその親が同伴してくる。そこで親も釣られてハンバーガーを買うというわけである。
 
 マクドナルドは、99年12月の決算時点で店舗数は3258店である。それに比べてモスバーガーは、3月の決算時で1567店でマクドナルドの約2分の1、ロッテリアにおいては、621店舗で約5分の1程度でしかないのだ。このデータからすれば、店舗数が多いからマクドナルドを利用する消費者も増えるのではないだろうか。もちろん、マクドナルドでは集客力を高めるために、様々な戦略を打ち出しているが、ここまで店舗数が拡大できれば消費者をマクドナルドに行きたいから行くというよりも、マクドナルドがそこにあるから行く、というものに動機付けが変わってくるのではないだろうか。しかし、必ずしも店舗数に比例して顧客が増すという比例した関係が、成り立つわけではないことも確かである。この比例を、現実のものとするためには、他社に、引けをとらぬたゆまぬ努力と戦略が必要となるのである。
 
 マクドナルドは、一見ファーストフード業界では"向かうところ敵無し"といった絶好調のように見えるが、実はライバル視しなければならない存在があるのだ。それは、コンビニエンスストアーである。特にセブンイレブンの販売している調理済の弁当などのファーストフード部門の売上は22〜30%であるといわれており、優に3000億円を超えているのである。
 
 外で買ったものを家で食べるという、中食の割合が増加傾向にある今、コンビニで売っているおにぎりやサンドイッチ、弁当などは十分ライバルとなるのである。しかも、24時間営業しているとなれば尚更の事である。
 
 マクドナルドは、上述してきたように絶好調で、1982年以降外食産業での売上は毎年トップである。しかし繁栄が持続的に続くことは、いかなる企業でも難しいものである。創業当時から、一貫して好業績を残している企業は、殆ど皆無である。競争優位の確立、維持が可能な時間は限られている。しかし、それをいかに伸ばして行くかが、今のマクドナルドには問題ではなかろうか。知名度もあり、消費者にも認知されているこの大企業は、このまま半額ハンバーガーを売り続けるだけでは先が見えている。他のチェーンも低価格かを進めている今、マクドナルドには何が必要なのか。また何をしなければならないのかを考え、21世紀のマクドナルドの新戦略を過去の業績を振り返りながら見ていくことにする。

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第2章 マクドナルドの変遷

 1971年7月20日、マクドナルドは、社長藤田田は、「新しい食文化の創造と拡大」の企業理念のもと、東京の銀座の一等地に第1号店を開いた。経済的にも日本より優位にあったアメリカに対し、かっこいい、強いアメリカからの食文化は、それに留まらず憧れを抱かせるのに十分であった。
 
 そもそもハンバーガーの起源は、中正の頃モンゴル・タタール地方住人の郷土料理で、生の削り肉に塩、胡椒、玉葱の汁などで味付けしたものだという。それがドイツ人船乗りにより、ドイツ・ハンブルグ地方に運ばれ、外側をカリッと焼き上げた料理法が考案され、街の名前から、ハンバーグとなった。その後ドイツの移民とともに大西洋を越え、アメリカに渡り、1904年セントルイスの世界博覧会で、サンドイッチをヒントに、ハンバーグをバンズにはさんだところ、手軽さとおいしさが大好評で、ハンバーガーは、アメリカでの大衆化するところとなる。
 
 1937年、カリフォルニア州パサデイナにマクドナルド兄弟が小さなドライブインを開いた。売上の80%をハンバーガーで占める、郊外に車で出かける人をターゲットとした店であった。駐車場にはいつもハンバーガーを待つ車の長い行列があった。このようなことから、「より早いサービス」こそが今後の経営の鍵になる、と気付いたマクドナルド兄弟は、ドライブインからスピーディーな調理とセルフサービス方式を導入した、'クイック・サービス・レストラン(QSR)'に移行した。「誰が作っても同じ味になり、お客様からの注文を予測し、あらかじめ準備を整え、30秒以内に出来立てのハンバーガーをお客様に手渡すこと」を目標にした新しいスタイルのレストランを、フランチャイズ(加盟店)方式によって、マクドナルド兄弟は広め始めた。
 
 そんな兄弟の前に1人の男が現れた日から、マクドナルド兄弟のレストラン「マクドナルド」は、世界のハンバーガーチェーン「マクドナルド」と歩み始める。男の名はレイ・クロックである。ミキサーのセールスマンだったクロックは、兄弟の店がミルクセーキを作るミキサーを一度に8台も注文したため大変興味を持った。(ミキサーは、当時1店に1,2台あれば十分で、1台10年は持つものであった。)マクドナルドのフランチャイズ化に、加盟店が出来ればミキサーも売れると考えたが、それ以上にハンバーガーに大きなビジネスの可能性を見出し、1954年クロックは、マクドナルドのフランチャイズ化の全面的に取り組み始めた。それまでのフランチャイズは、高価な備品を売りつけたり、高い加盟料や仲介料を強いるものであったが、クロックは、加盟料も押さえ、食品納入業者からリベートを取らないもので、「まずフランチャイズ店が成功することが、自分たちの繁栄につながる」という方針であった。
 
 1961年クロックは兄弟から「マクドナルド」の商標を譲り受け、「たくさんのファミリーに食事を楽しんでもらう」という兄弟の理想を受け継ぎ、より詳しい厨房や調理システムを作り上げ、全チェーン店の経営を統一する完璧なマニュアルを完成させた。全米はおろかカナダやプエルトルコにも出店し東洋アジアの日本進出も切望された。
 
 クロックは日本進出のパートナーに、片手間にこの仕事を考える大企業より、専業で力いっぱい努力してくれ問題が生じたときにすばやい対応が出来る人を望んだ。つまり意思決定の出来る人間が常にビジネスの第一線にいる、そんなパートナーを切望していた。そんなパートナーになるにふさわしい男こそが、藤田田である。藤田は、当時社長自らが商品の買い付けに行くような小さな貿易会社、藤田商店の社長であった。「安くて、おいしくて、しかもまたされることがない…このハンバーガーと、このサービスは必ず日本人にウケるに違いない」と、日本人でハンバーガーを知っている人がほとんどいない時代だからこそ、このマクドナルドを日本に上陸させれば大きなビジネスにつながると藤田は確信していた。1970年、アメリカにいる知人の紹介を受け、藤田とクロックは面会し、「ビジネスについて、まったく同じ考えを持ち合わせている」と藤田は日本マクドナルドの権利を手に入れた。
「立地は車で行ける都市郊外が最適」というアメリカ立地法にのっとり、日本でも神奈川県茅ヶ崎市を候補に計画が進んでいたが、藤田は「日本では文化は一点に集中する、それだけに1号店は話題を持っている地でなければ」と銀座4丁目を望んだ。当時銀座は最新の輸入品が登場する場所であり、外国人観光客も多数訪れる日本の代表地であり、「ここでハンバーガーレストランを開けば若者たちは必ず集まる、話題も大変大きなものとなるに違いない」と藤田は確信し、銀座3丁目三越銀座店と自ら交渉を行い、その結果、三越1階のショーウィンドウとその奥の財布売り場を借りることに成功した。
 
 しかし、ここで、三越側から営業時間内は店作りの準備をしないで欲しいという要請があった。単純な模様替えとは違い、ハンバーガーレストランを作るのだから、当然水道、電気、ガスなどの工事はもちろん、厨房、カウンターなども作らなければならない。しかも当時三越の休日は月曜日であったため、日曜日の営業閉店後午後6時から火曜日の午前9時までの、39時間しか許された時間はなかったのである。どうすればいいのか思案した結果、あるひとつの方法に決まった。ヒントはなんと、短い幕間に舞台装置を変える大道具の早業であった。綿密な計画を立て、わずか45平方メートルの店のために70人のスタッフを動員して、資材を組み立てはバラす練習を繰り返し、見事39時間以内に作り上げることに成功した。

 
(日本 第一号店)

 こうして日本マクドナルド1号店がオープンしてから30年と経たない現在、全国で3533店舗(2000年12月15日時点)を展開して、お客様の心とおなかを満たすサービスを日夜追及している。

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第3章 マクドナルドのこだわり

3−1 QSC+Vとは

 マクドナルドに限らず今では外食産業界で呪文のように唱えられまでになった「QSC」の概念であるが、その本家本元であるマクドナルドは、「QSC」の3要素に「V」の概念を加え「QSC+V」という独自の概念を生み出した。
マクドナルドを支えるQSC+Vとは、一体いかなるものなのか。「QSC+V」の真相に迫る。

・Q(Quality)=クオリティ(品質)
世界中どこで食べても変わらない、2500項目のマニュアルで管理。レギュラーを世界共通の品質で提供。この同じおいしさを維持するため、国ごとの指導に加え、世界各国の品質担当者が一堂に会し、食材の分析・検討を行う「Product Cutting」(品質審査会)を定期的に開き、基準の統一を図っている。日本マクドナルドでは、ハンバーガーのJAS規格に沿った100%ビーフのパティを極低温フリージングテクニックにより、生肉以上のおいしさを味わえる冷凍肉にして届ける。バンズ(ビーフパティを挟むパン)はヒールの高さ16ミリ。ピクルスは直径3,5センチから4,5センチとおいしさの基準を決めている。
このようにマクドナルドは、徹底した品質の管理を行っている。そこで、マクドナルドの新商品がどのように開発されているかについて見てみることにする。
マクドナルドでは、年4回、延べ7200世帯を対象に消費者意識調査を実施している。また、店舗においても様々なアンケートを実施しており、顧客がどのような商品を望んでいるのかを調査している。このように顧客の声に耳を傾ける一方で、現在どのようなものが流行しているかなどの綿密な調査活動を繰り返し、新商品は初めて世に出ることとなる。
以下は、新製品開発の一連の流れである。

@ 商品開発部が企画・アイディアを提案
マクドナルドで新商品を開発しているのは商品開発部という部署である。
ここではまず、商品コンセプトが決められる。このコンセプトは顧客の声を念頭に置きながら、一方で商品開発部が海外などで調査したアイディアやマクドナルドに素材を提供しているサプライヤー(仕入先業者)からの提案、アメリカ本社からの情報、専属シェフからの提案など様々なアイディアをもとにどのような商品を作るかを考える。

A 商品化
企画をもとに商品を作る。顧客に受け入れられる味か、オペレーション上の問題はないかなど、各部署の意見を取り入れながら試作、検討を繰り返す。また、原材料の工場で製造が可能か確認される。

B 消費者テスト
あらゆる年齢層の方を対象に味覚テストが実施される。そこで合格した商品もさらに試食調査結果を分析し、改良・改善が行われる。

C 最終開発会議
数々の難関を通過した商品が商品開発会議において提案され、承認を得る。

D テスト販売
実際に全国で発売されるには、まだまだ時間がかかる。
全国で発売する前に、特定の地域で実際に全国で販売するのと同じようにテレビCMなどを流し、テスト販売を行う。また、店舗オペレーション、味付けや価格の設定、原材料の供給など、様々な角度から全国販売を念頭に置いた調査も行う。顧客の評判が良く、売上結果も良い商品だけが全国販売される。

E 全国販売
商品が初めて全国的に販売される。これらのうち、特に人気の高かった商品は、毎年その季節になると登場する定番メニューとなっていく。また、全国的な顧客の支持を得て、限定メニューからレギュラーメニューになる商品もある。

 このように長く厳しい行程を経て、新商品はやっと顧客の手元に届く。早い商品でもコンセプトを考えてから最低でも1年以上はかかる。今後も様々なバリエーションの商品で顧客のニーズに応える商品を開発していくことだろう。

・S(Service)=サービス(真心のこもったスピーディーなサービス)
マクドナルドは、子供たちが選ぶ「連れていって欲しいお店」のナンバーワンである(マクドナルド自身による市場調査)。その理由は、ハンバーガー人気に加え、優しく対応してくれるクルー(従業員)や店の雰囲気にある。真心のこもったサービスを実践し、顧客に心地よい空間を提供することで、「FUN PLACE TO GO(行って面白い場所)」「マクドナルドに行けば何か楽しいことがある」と感じられる店づくりを心掛けている。マクドナルドは、おいしい食事と共に、楽しい時間を提供する。それがマクドナルドの食事理念である。
マックソング、ストアツアー、マックコールサービス(公衆電話)、地域貢献(クリーンパトロール、交通安全教室の開催)など「わが街のマクドナルド」を目指し様々な活動が行われている。
マクドナルドのキャラクターであるバーディ、グリマス、ハンバーグラー、フライキッズ、ドナルドも子供たちに人気がある。

・C(Cleanliness)=クレンリネス(清潔)
マクドナルドの創業者レイ・クロックは、「Clean as you go(行くところはすべて綺麗に)」と指導している。店舗、厨房の清潔さを徹底追及するというレイ・クロックの精神は、マニュアルの1つ1つ、業務や厨房機器の設計にまで生かされ、実践されている。
日本マクドナルドは、衛生管理手法として「HACCP(ハセップ)」システムを導入している。
「HACCP」とは「HAZARD ANALYSIS CRITICAL CONTROL POINT」の略で「危害分析重要管理点方式」と訳される。1971年にアメリカのNASA(航空宇宙局)によって開発された宇宙船乗組員用の食品衛生システムで危害が発生する可能性のあるポイントを洗い出し、それを重点管理、コントロールしていく方法である。
日本マクドナルドでは1993年に第一歩を踏み出し、現在ではすべての取引先(100社150工場)で導入を終了している。
以下にマクドナルドにおける徹底した衛生管理を段階ごとに紹介する。

@原材料
マクドナルドでは、使用する原材料からHACCPに基づいた衛生管理方法を取り入れている。例えば、ハンバーガーの主たる牛肉は、海外の食肉取り扱い場の段階でも温度管理、微生物検査などのチェックが行われ、安全性が確認されている。
また、食材のみならず、施設そのものにも厳しい基準を定め、その基準をクリアした工場だけに原材料の納入が許されている。

A加工工場
マクドナルドでは、食材の加工メーカーにもこのHACCPによる衛生管理方法の導入を義務付けている。例えば、牛肉。牛肉はまず、加工工場に入る前の段階で、微生物検査が行われている。この時点では、法定数値よりも数段厳しい検査基準により、食材の安定性がチェックされ、ここで基準をクリアした牛肉のみが加工工場内に搬入される。その後、解凍、ミンチ加工、成型、冷凍、パッケージングの各工程にて、その温度変化や時間の影響で、微生物増殖が起こり得る可能性のあるポイントのチェック作業が行われる。さらに出荷の直前に再度微生物チェックを実施。まさしく万全の管理方法で食材の安全性を実現している。

B流通
HACCP管理は、流通過程でも行われている。受け入れ検査では、食材ごとに決められた手順に従って品温や品質の状態がチェックされ、記録される。基準外のものは、この段階で受け入れを拒否される。全国13ヵ所の物流センター(表2参照)には、マクドナルドで使われるほぼすべての食材、包装材が加工メーカーより集まり、ここを経由して全国の店舗へと配送されていく。この時点での大きなポイントは
@ 物流センター内での保管
A 配送状況
の2点である。物流センターでは、すべての資材保管庫の温度と機器の作動状況も毎日確認している。さらにHACCPにより衛生管理され、受け入れた食材を安全なままの状態で店舗に配送するため、トラックにある冷凍庫や冷蔵庫の温度も常に運転席より確認できるようになっている。また、その温度の記録もデータとして残されているため、万一機器トラブルが起こり、適正な温度管理がされなかった場合でも、状況を速やかに発見でき、その場で流通を止めることができる。

C店舗
店舗に到着してからもHACCPは続く。店舗に届けられた食材は、搬送状況を確認した後、冷凍庫、冷蔵庫、倉庫内に速やかに搬入され、保管される。店舗では実際に食材を使用し、商品を製造するが、その過程においても数多くの衛生管理体制がとられている。
また、冷凍庫の保管温度、積み重ね方、グリルの温度、焼成時間、ハンバーガーの内部温度、トースターの温度など、その他にも数多くの項目が毎日、1日1回はチェックされている。

・V(Value)=バリュー(価値)
QSCが最高の形で結びついたのが、様々なバリュー(価値)である。おいしいものをおいしく食べられる素敵な空間。家族の笑顔がこぼれるくつろぎの場所。いつ行っても楽しい場所。車に乗ったままで買えるドライブスルー。顧客の満足に繋がるものすべてがバリューであり、本物の価値を生み出すため、常に完成されたQSCの実践を心掛けている。

以下に、マクドナルドの企業価値向上への取り組みを紹介する。

・(財)ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン・デン・フジタ財団の誕生

1999年4月、財団が設立され、ドナルド・マクドナルド・ハウスの建設が進められている。ドナルド・マクドナルド・ハウスとは難病の子供とその家族が利用できる宿泊施設である。財団の活動は、病院で闘病生活を送る難病児・重病児を持つ家族への支援を目的としている。活動は以下のように分類される。

・ 福祉、医療分野などにおけるボランティア活動への助成
・ ボランティアの人材育成のための国際交流や国内外の研修にかかる助成事業
・ ボランティア活動の普及・啓発を目的とした情報誌の発行やシンポジウムの開催など
・ 滞在施設(ドナルド・マクドナルド・ハウス)の建設、運営など

財団は、日本マクドナルドからの出損金により設立され、財団の基本財政、運営費は日本マクドナルドの基金により成り立っている。
また、ハウスの建設費・運営費などは、日本マクドナルドの収益の一部や、財団またはハウスに寄せられた企業や個人による善意の資金が助成資金として蓄積され、ハウスに寄付されている。
これは、マクドナルドの行っている社会貢献活動の一部に過ぎない。マクドナルドは、本社をはじめ、個々の店舗が「地域の人々と共にありたい」との願いから、様々な形のコミュニケーション活動を通して、人々に愛される店づくりに努めているのである。
 
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3−2 Made For You

 以上、マクドナルドのQSC+Vについてみてきたが、マクドナルドは商品のクオリティーのさらなる向上を目指して、新システム「メイド・フォー・ユー」の導入を進めている。
 
 「メイド・フォー・ユー」とは、顧客の注文を聞いてからハンバーガーを作り始める、いわゆるオーダーメイド方式のシステムである。顧客から受けた注文をPOSレジを通して厨房のキッチンディスプレイ(KVS:キッチンビデオシステム)に転送・表示し、オーダーごとに個別に製造する。
 
 現在は、販売予測に基づいて作り置きして保温庫で在庫。10分を経過した場合には廃棄処分している。それはファストフードの根幹である「速さ」を確保するためである。また、ハンバーガー店では作り置きが一般的であった。その常識を覆そうとするのは「出来立てを求める声が強いため」である。
 
 このシステムの導入にあたっては、アメリカで開発された11秒でバンズ(パン)を焼き上げるトースター(従来55秒)や、日本独自に開発した8秒でバンズをスチームする(蒸す)スチーマー(従来は90秒)など機器の革新が大きく貢献している。
 
以下に新システム導入の目的とメリットを紹介する。

導入の目的
@ より出来立て、作り立ての商品を顧客に提供できる
 これは、システムによるハンバーガーの仕上げ時間短縮によるものであり、具体的にはこれまで平均で約2分半かかっていた仕上げ時間が30秒程度になるためである。このため顧客を従来以上に待たせることはない。

A 食材のロスが10分の1になる
 従来では、調理済み商品を販売し、10分を過ぎると廃棄するため、年間で売り上げの1%にあたる40億円のロスが生じていた。しかし、出来立てのハンバーガーを全店に導入することで品質の向上と廃棄ロス削減が可能となる。

B メニューが広がる可能性がある
 この新システムでは、具材やソースの量も顧客の好みに合わせた調整が可能になる。例えば、将来的にピクルスを抜いたり、ハンバーグを3枚挟むといったオーダーメイドに対応することも検討している。

顧客にとっての利点
@ 温かさはもちろん、野菜などはその新鮮さがより保たれるため、シャキッとした歯ざわりが楽しめ、常に作り立ての商品を食べることができる
A 従来同様待たずに購入できる
B 将来的にメニューの数が増える

その他の利点
@オーダーごとに1つひとつ作るので丁寧である
Aオペレーションクルー(ハンバーガーを作る人)の動きがスムーズで生産性が高い
Bマネージャーが、時間ごとのハンバーガーの作り置きの販売予測を指示する必要がなくなり、クルー(従業員)教育などのマネジメントに集中できる

 アメリカでは既にこのシステムへの移行が進んでおり、1999年末で全店への導入を終了している。日本においては、数店舗で実験を始めており、3年以内に全店に導入するとしている。全店導入に伴う総投資額は135億円を見込んでいる。

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第4章 販売促進、半額セールについて

 販売促進とは、短期的な売り上げ増進や、店舗未利用者の利用を促す活動の事である。マクドナルドでは今年(2000年)に入って、数多くの販売促進活動を行ってきた。2月からスタートした平日半額セールも販売促進の1つである。さらに、マクドナルドは多種多様な期間限定バーガーを出しているが、この期間限定バーガーの事を別名"プロモーションバーガー"とも言うのである。要するに"販売促進バーガー"である。1ヶ月サイクルで販売するこれらのバーガーは、発売当日には行列が出来る程人気商品なのである。

ここではそれ以外の販売促進について、事例を元に説明していく。

 今年に入って印象に残る販売促進として、まず思い出すのが6月17日に販売されたキティのぬいぐるみである。人気キャラクター「ハローキティ」とキティのボーイフレンド「ディアダニエル」のぬいぐるみを和服、中国服、宇宙服の婚礼衣装に身を包んだ3種類を週ごとに販売品目を切り替え限定販売するというもので、消費者はハンバーガーなどの商品を買うと店頭でキティちゃんを購入できるのだ。そもそもこの販売促進は日本で始まったものではない。日本のキャラクター商品ブームに目をつけたシンガポールのマクドナルドが一月(2000年)に先行して販売したものだ。続いて台湾、香港のマクドナルドでも発売しアジア三地域で合計950万個を売り上げたのだ。ハンバーガーとぬいぐるみの相乗効果から、各地の売上高は大幅に伸び、日本に逆上陸する形になったのである。日本に逆上陸したキティは2月に愛知など一部地域で試験販売をし、好評だったため、1ヶ月間の全国販売へとなったのである。この全国販売により、日本マクドナルドは過去最大の売上を記録することになる。
 
 限定キティ発売後17日、18日の2日間で122万個を販売。18日の日曜日はマクドナルド全店で約19億円を売り上げ、1日あたりとしては今年1月に記録した19億9000万円、19億7000万円に迫る歴代3位の成績を残したのである。さらに、1週間後の24日と25日、全国3335店(当時)の売上高が初めて20億円台に達し、2日連続で1日あたりの売上記録を更新したのである。
 
 ハンバーガーなど食品のほかに店頭販売したマクドナルド限定の「中国服を着たキティちゃん」のぬいぐるみ(380円)が2日間で112万個を売上げ、売上高を1割程度押し上げた形となったのである。
 6月25日の全店来客数は448万人、売上高は今年1月に記録した19億9000万円(当事店舗数3258店)を超える20億7100万円となったのだ。
 
 マクドナルドでは上記の販売促進のあと、7月20日からスヌーピーのぬいぐるみも売り出した。ではなぜ、ここまで売上が伸びたのか?それは徹底的な販売促進活動にあったのだ。ぬいぐるみを売る自体も販売促進ではあるが、マクドナルドはちょっと違うのである。アピール方法がずば抜けているのだ。まず、限定販売をする前にCMが毎日の様に流れていた事で、その数の多さにも驚く。そして、店舗の周りの"のぼり"から窓ガラスにはキティーのシールが張り巡らされていた。店の中に入ると、店員がキティーの絵が描いたピンク色のエプロンをつけて販売していた。完全なるアピールである。また、スヌーピーの時には、上記の事に加え期間中はスヌーピーの絵柄を施したドリンクカップなどの包装材やポスターで、店内がスヌーピー1色になったのである。これがここまで売上を伸ばした秘策である。

 今年行ってきた販売促進はこれだけではない。
主力のハンバーガー以外の商品メニューを拡充しはじめたのだ。まずはコーヒーである。「カフェラテ」をはじめとするコーヒーの新商品を発売すると同時に、首都圏の店舗では「ブレンドコーヒー」の価格を180円から150円に順次引き下げるというものだ。これは、スターバックスコーヒーなどの外資系コーヒーチェーンが台頭する中、低価格で消費者にアピールするという事である。カフェラテ(200円)やカプチーノ(同)といった新しいメニューは既に一部の店舗で導入を始め、年内に260店で提供するのだ。従来のブレンドコーヒーの原料豆も全面的に見直し、アラビカ種を100%使い、これまでの浅煎りからコクのある深煎りにしたという。さらに新しくソフトクリーム(100円)や、シナモンロール(120円)といった商品を販売し、多様なメニューをそろえることで、幅広い客層のニーズにこたえる作戦にも出たのである。

 マクドナルドの店舗数を利用した他社製品の販売促進も今年は見られた。その1つが
カゴメ野菜ジュースである。主力の野菜・果汁系飲料「野菜生活100」で日本マクドナルドと提携し、東京、大阪の一部店舗でマクドナルドブランドでの試験販売を開始した。若年層の来店が多いマクドナルド店舗のメニューに加えることで、野菜・果汁系飲料の認知度を高めるのが狙いである。
 野菜生活100を試験販売しているのは東京の渋谷駅周辺と大阪の梅田駅周辺の105店舗。長期保存できる紙パックの200ml入り商品のみの販売で、ドリンクのメニューとして単品では量販店の店頭と同じ100円、セットメニューでは80円で販売しているのだ。平均で1日1店舗30本の販売実績があり、「コンビニエンスストアより売れている」(伊藤正嗣カゴメ社長)という。今後1年間は105店舗のみの試験販売だが、カゴメでは全店舗での販売を目指しているのである。これについてマクドナルドは「健康食がブームとなっているため、顧客ニーズをテストして本格販売に備える」としているのである。
 
 また、4月4日から大阪ドーム内の店舗でビールの販売を開始した。商品はアサヒスーパードライ(660ml)1種類で価格は700円。サイズや価格、容器などはすべて球場内で販売されるものと同じである。マクドナルドはこれまで企業方針としてアルコール類の販売をしなかったが、昨年から進めている「エリアマーケティング戦略」の一環として"解禁"することにしたのである。この「エリアマーケティング戦略」の例として次のものもあげられる。
 
 一部のマクドナルドで配達サービスを開始し始めたのだ。以前では、塾による配達サービスがあったが、今度は規模が大きく、都心のオフィスビル内にある店舗で、閉店後に商品を配達する新サービスを始めるというものだ。一定時間を「お届け専用タイム」とし、Eメールを通じて受けた注文商品を職場に届けるのである。店舗が入居しているビル内なら1000円以上、近隣のビルなら2000円以上の購入が配達対象となるのだ。時間帯によって販売方法を切り替えることで、効率的に収益を得られるというメリットがある。このサービスの名称は「ビジネスエクスプレス」といい、4月上旬から丸の内国際ビルディング店(東京・千代田)、大手町日本ビルディング店(同)、有楽町ビルディング店(同)の3店舗で開始している。サービスは店によって違い、丸の内国際ビルディング店では午後7時の閉店から午後8時までの1時間を「お届け専用タイム」としている。消費者はEメールで商品内容や希望の配達時間を指定し、注文を受けてから10分程度で配達するため、急ぎの注文の場合なら当日の午後7時50分ごろまでの注文が可能なのである。これらの会社は残業する会社員が多いことに着目し、朝食・昼食時間帯は店頭、夕食時間帯は宅配という二本建てのサービスで店舗を効率的に活用しようとしたのである。
このような常に新しい販売促進活動をする事で、他社には真似できない利益が出るのである。
今年(2000年)2月14日からスタートした"ハンバーガー平日半額セール"は、今まで130円で販売していたハンバーガーを平日に限り半額の65円、チーズバーガーは160円から80円になり、マックフライポテトのSサイズとドリンクのSサイズを組み合わせたバリューセットはハンバーガーセットが400円から350円へ、チーズバーガーセットは400円から370円へ価格が下げられた。

 平日半額開始以来、半額の対象となった2種類の販売個数は以前より5〜6倍に膨れ上がり、全体的な売上高も約1割増えたのだ。しかし、この事態を予想する同業他社はいなかった。マクドナルドが平日半額セールを打ち出した時、同業他社はこう話していた。"既存店の売上が落ち込んできたことの何よりの証拠で、効果は疑問""断続的に実施してきた半額キャンペーンに消費者が慣れ、通常価格では売れなくなってきたのではないか"などの批判的な内容だったのである。しかし、いざフタを開けて見ると上記にも述べたように、予想をはるかに越える増益へとなっていったのである。

 ではなぜ主力商品を半額にしたのに、全体的な売上が1割も増えたのか?平日半額で販売しても売上増を期待できる謎と、同業他社の対抗策について以下に記していく。
この謎を解くカギは「セット販売」というキーワードが重要になる。
 
 CMを始め、ありとあらゆる場所で現在平日半額のポスターを見る。CMでは毎日のように宣伝され、電車の中や駅構内、雑誌、新聞等、各メディアにまで及んでいる。さらに凄いのはマクドナルドの店舗だ。店の前には平日半額と書いてある"のぼり"が数本置いてあり、窓ガラスには平日半額のシールが多数張り出されている。とにかくお客の目を引こうという作戦だ。目に入ったお客は、そのお得さにまず店に入る。この時点でマクドナルドの勝ちなのである。マクドナルドにはバリューセットという組合せのトリックが用意されているからだ。入ってきたお客はまず店員にこう言われる。「バリューセットはいかがですか?」と。マクドナルドお得意の販売促進である。中にはハンバーガーだけを買いにくるお客さんもいる。しかし、入ってきたお客さんのほとんどがバリューセットを注文するのだ。マクドナルドのデータによるとレジを1000回打てばセットメニューが700〜800セットでると言われている。ハンバーガーにポテトにドリンクを単品で注文するとバリューセットより割高になってしまうので、セットを注文する事は、お客にとっては非常に得した気分になるのだ。現にお得なのだが、店員が「バリューセットはいかがですか?」という言葉には別の理由があった。ハンバーガー類単品で買ってもらうより、セットで買ってもらったほうがお店としても得するのである。これが、謎を解くキーワードである「セット販売」である。値下げによってハンバーガー1個当たりの売上高や利益は当然のことながら減る。しかし、平日の販売個数は以前より5〜6倍にも増え、さらに平日半額によって増えたお客が利益率の高いマックフライポテトとドリンクをセットで購入すれば、売上高、利益とも増加する仕組みなのである。以下に例を用いて説明していく。
 
 値下げ(平日半額)前にセット商品が1つ売れた場合と、値下げ後(平日半額実行後)にセット商品2つとハンバーガー単品が1つ売れた場合で計算してみる事にする。まず、原価率を考えてみると、平日半額セール実行後のハンバーガーの原価率はそれまでの30%から60%弱にアップしたのである。また、コカコーラSサイズの原価率は20%、ポテトSサイズの原価率は25%程度と見られる。この数字をもとに試算すると、ハンバーガーとマックフライポテトのSサイズ(150円)、コカコーラのSサイズ(140円)をセットで販売した場合、原価は約105円となる。これを400円で一セット販売した時(平日半額実行前)の粗利益は295円だ。これに対して、平日半額セール実行後のセット商品2つとハンバーガー単品が1つ売れると、売上高は765円と1.9倍に、一方、粗利益額は516円と1.7倍になる。利益率で見れば悪化するが、利益総額としては増えるという仕組みなのである。これがセット価格のトリックなのである。
 
 ハンバーガーを平日半額にした事は、粗利益が出やすいポテトやドリンクがついたバリューセットを買ってもらうための巧妙に仕掛けられた作戦だったのである。平日半額というハンバーガーは、セットを買って貰うための「おとり」といっても過言ではないのである。これが、平日半額にして利益が実行前より1割も増えた理由である。
マクドナルドが開始したこの平日半額セールは、同業他社にも大きな影響を与えたのである。モスフードサービスによると、2001年3月期の連結純利益は前期比65%減の6億9000万円になると予測される。ハンバーガー業界3位であるロッテリアは、顧客を奪ったマクドナルドと同じように全国500店弱でハンバーガー半額セールを行ったが、2000年3月期の売上高は前年比2%減の568億円になったのである。マクドナルドとの競争激化から今年5月の既存店売上高も前年割れしてしまったのだ。マクドナルドの平日半額に対抗するために、ロッテリアのように価格を下げる店が増えてきたのである。牛どん2位の松屋フーズ(287店)も牛めしの並盛り価格を400円から290円に引き下げた。約1200店の「ミスタードーナツ」を展開するダスキンも100〜180円のドーナツを一律100円にする毎月約1週間のキャンペーンを来春まで継続するとしている日本ケンタッキー・フライド・チキン(約1000店)は6月後半、一部商品を3割引きで販売したのである。
 
 この低価格戦争の火付け役となった日本マクドナルドは平日のハンバーガー売上個数が前年比で約5倍と事前予想の3倍を上回り、「来店の少なかった40歳以上の顧客の取り込みに成功した」と分析、牛どんなど他業態の顧客も取り込んでしまったのである。

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第5章 経営戦略

5−1店舗開発

・「マック・ジス」
 マクドナルドは、2000年12月15日現在、全国に3533店舗あり、その出店ペースは1年約500店舗という驚異的なものである。こうした新店舗展開を可能にしているのは、マクドナルドが店舗展開のためのコンピュータ情報管理ソフトを備えているためにほかならない。そのソフトとは「マック・ジス」(McGIS=マクドナルド地理情報システム)である。
 
 これまで、出店する際には、不動産や商業施設、居住人口と年齢比率、学校等のデータ、交通量調査、駅の乗降客数などをそれぞれ個別に調べ、売上予測や利益計算を行い、社内会議での検討を経て決めてきた。
 
 しかし、市町村全体のデータがあっても、実際の候補地周辺のデータがなければ、正確な売上予測は立てられない。かといって、年間70店、80店というペースで全国展開するために、すべての地域を網羅するようなシステムはかえって、金ばかりかかって仕方がないとの危惧も当然あった。
 
 ところが、マクドナルドはこれを実行に移した。年間500店ペースで出店を狙う以上、例え今は金がかかっても、将来に向けた先行投資として、十分な効果があるのではないかとの経営判断が働いたためである。
 
 「マック・ジス」の開発は、94年民間の市場調査会社の協力でスタート。開発費は累計で数10億円。一部外販している地図ソフトもあるが、新宿・銀座など商圏ごとに商圏人口や外食産業の売上高、小売販売高、学校数や生徒数まではじき出される。
 
 希望する地域をクリックすると、5000分の1から25万分の1までのカラー地図が画面上に現れる。地図上には既存店の商圏情報や、特定物件の仮設商圏情報が表示され、未出店ゾーンポテンシャル(潜在客数)を明確に把握できる。これだけで手作業なら1週間かかる作業を1日で可能にした。
 
 その仕組みはまず、総理府統計局の区分に準じ、全国を500メートル四方の経・緯度のメッシュに分割。そしてあらゆる情報を、メッシュごとに保有させる。こうした情報はいつでも瞬時に引き出せるだけではなく、任意に指定した商圏でもメッシュ内でコンピュータが微分・積分を繰り返し、指定商圏内の様々なデータが、自動算出できる仕組みである。
 
 新規出店の候補地を1つに絞り込んだら、任意に指定した商圏内の総人口、就業者人口、男女比、小売売上総額、飲食店売上金額まで検索することが可能で、これをもとに候補店舗の売上から利益までを瞬時にはじき出せる。
 
 最終的には担当者が現地に行き自分の目と足で確かめなければならないが、新規出店の度に蓄積されていく情報を各店が共有化することでマクドナルドの独自の商圏情報自体が網の目のように広がっていくのである。
 
 マクドナルドには、「出店調査部員」がおり、従来マクドナルドが出店する際には、これらの人たちが分担して、いくつかの出店候補地を歩いていたため、約5〜6倍の物件調査が必要であった。
 
 ところがこのシステムを開発したことによって、調査部員の人数を増やさなくても年間3000件までの物件調査が可能となった。出店の決定にあたっては、社内の討議を経なければいけないが、討議に参加した全員がプレゼン画面を見ながら、シュミレーションを繰り返し、情報を共有することで主観を排除し、その場での決定もスムーズになる。
 
 また、土地・建物の所有者と、店舗開発担当者との交渉の場でも、携帯パソコン片手にシュミレーションを提示し、交渉を有利に進めていくことも可能である。
 
 この情報システムでは、本社のホストコンピュータなどを会して、マック・ジス・サーバーが情報を仲介。本社、関東地区本部、中部地区本部、関西地区本部などと情報をつなげている。
 
こうした強力なシステムが店舗開発、営業活動を支援することによって驚異的な店舗開発は支えられている。

・ アライアンス(他企業との提携出店)
マクドナルドでは、店舗開発の一環として、他企業との提携出店を積極的に進めている。
具体的には、ショッピングセンター、空港、大学、鉄道の駅など様々な業態に出店している(表3参照)。いずれも集客力の高い業態であることは言うまでもない。

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5−2 広告活動(トレイマット・マックビジョンによる広告収入、CMなど)

 マクドナルドの広告活動として、まずお客様に最も近いものとして、トレイマットが挙げられる。まずトレイマットとは、店内で飲食するときに、バーガー類やドリンクなどの商品を乗せるトレイの上に1枚敷く紙広告である。主にA4サイズの横長用紙の、左半分には現在マクドナルドが行っているキャンペーンや、これから行う催しなどを載せ、右半分に企業による広告を載せている。
 
 トレイマット広告は、店内で飲食する客全員に100%接触可能な媒体であるといえる。マクドナルドを利用する客の平均店内滞在時間は約20分で、食事をしながらトレイマットの掲載内容に目を通す人も多く、隅々まで読んでもらえるといえる。また、友達とおしゃべりを楽しんだり、家族サービスを行ったり、待ち合わせをしたり、多くの客は、飲食だけでなく、情報交換の場としてマクドナルドの店舗を利用しているので、トレイマットは、コミュニケーションスペースである店内において、ダイレクトに客にアプローチできるツールとして話題になりやすく、高い広告効果が期待出来る。
 
 スケールメリットとしては、店内で飲食する場合の、1会計あたりの平均来店者数は約1.9人である(トレイマットの配布は1会計あたり1枚)。このデータをもとに計算すると、1会計の広告掲出で約855万人の客に接触することが可能であり、また1人あたりの広告単価は約1.6円となり、費用対効果の面でも優れたツールであるといえる。さらに、マクドナルドの店舗は人口分布に忠実にオープンしている。(5−1―店舗展開参照)これはトレイマット実施店も同様であり、エリアの影響を受けやすい新聞等と異なり、全国に効率よく、無駄のない情報投下が可能である。また、マクドナルドは人が多く集まる駅前や商店街、オフィス街、学生街を中心に出店しているので、ショッピングスポットに囲まれたロケーションでPRツールとして機能するトレイマットは、広告を見た客が商品購入等のアクションに起こしやすい、という特性も兼ね備えている。
 
 興味深い例としては、マクドナルド来客の年齢層が商品購買者の対象と重なることから、化粧品会社のカネボウはマクドナルドと提携し、同社の主力口紅「テスティモ・ルージュ」の販売促進としてテスティモの広告やアンケートをトレーマットに掲載し、アンケートに答えた人の中から抽選で同化粧品のサンプルを送付するなどのキャンペーンを行った。また、おもちゃメーカーのタカラは、占いコンピューター「プリエール」の販売促進をトレイマットに掲載し、全国の主要店舗に商品サンプルを実際において、体験してもらうという試みを行った。
 
トレイマットの認知調査(都内主要店舗30店における「来客者調査」より。表4参照)

トレイマットを 知っている(84%)―必ず読んでいる(21%)
                 ―時々読んでいる(56%)
                 ―1,2度読んだだけ(3%)
                 ―ほとんど読まない(4%)
        知らない(16%)
 
 また店舗内装置情報広告テレビとしては、「マックビジョン」がある。「マックビジョン」とは、日本マクドナルドの店舗専用放送であり、衛星デジタル放送局のミュージックバード(東京・千代田、富木田道臣社長)との共同事業で、店内に設置した大型画面に各種の情報番組やCMを流している。
 1998年12月から都内10店舗で「マックビジョン」を実験的に導入していて、首都圏と近畿圏を中心に年内に500店まで導入店舗を拡大することを目指している。来客者の平均滞在時間である25分のサイクルで最新の映画や音楽、スポーツ情報、CMなどを盛り込んだ内容を構成していて、2週間ごとに更新される。マクドナルドオリジナルの番組を放送し、販売促進のほか広告収入の拡大にもつなげたいところで、広告収入は初年度8億円を見込んでいる。

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第6章 マクドナルドの流通

 マクドナルドでは約100種類の原材料を扱っており、その調達は国外にとどまることなく、世界のマーケットにまで及んでいる。複数の市場に目を向けることは、「おいしさ」「安全性」「安定供給」「価格」の各項目について優位性のあるサプライヤー(仕入れ先業者)の選択を可能にする。しかし、世界中にあるどのサプライヤーも、マクドナルドへの供給が許される訳ではない。品質に関わる厳しい世界基準が定められ、それをクリアーしたメーカーだけがマクドナルドのサプライヤーになり得るのである。
 
 マクドナルドの低価格販売を支える最大の要素はセット販売にあることは前述の通りだが、原材料調達においてもグローバル・サプライチェーンと呼ばれる世界共同仕入れ方式によって、ローコストの実現を達成している。
 
ここでは、マクドナルドの徹底した流通・物流システムについて紹介する。
 
まずはじめに、このグローバル・サプライチェーンとはいかなる仕組みなのかについて見ていくことにする。

@世界共同仕入れ(グローバル・サプライチェーン)
マクドナルドのハンバーガーは世界共通である。世界119ヶ国、28,000の店舗で毎日同じおいしさのハンバーガーが作られている。そのハンバーガーに使われている現在料を安定的かつ低価格で仕入れることを目的に誕生したのが「世界共同仕入れ(グローバル・サプライチェーン)」である。これは、それぞれの国が単独に原材料調達を行うのではなく、いくつもの国と情報交換を行い、複数国から原材料調達を行うものである。個々の国が別々に仕入れるよりも、1回に仕入れる料が増えるため価格交渉の際も有利になる。「ごま」を例にとってみる。調達先は良質なごまの産地で有名な南米のグァテマラである。以前は各国が別々に仕入れていたが、現在では全世界のマクドナルドが共同で仕入れている。各国の仕入れ規模によりそのメリットの大きさは様々であるが、この仕入れスタイルの変換によって生じた価格メリットは10%から20%に及ぶ。ごまのように全世界で共同仕入れを行うというのは特異な例であるが、他にも様々な食材に「世界共同仕入れ」方式を採用している。いくつもの原材料が共同仕入れの対象になることで、世界的に低価格なハンバーガーの販売が実現している。
 日本マクドナルドでは原材料の約20〜25%程度を直接海外から調達している。マクドナルドが直接輸入を行っていない場合でも、国内サプライヤー(仕入れ先業者)は、かなりの原材料を海外に依存している。
 グローバル・サプライチェーンは現在、食品、紙製品など合わせて20種類の原材料が対象となっており、仕入れベースで約1割程度のコスト削減につながっている。海外からの調達は、為替レートがコストに大きな影響を及ぼすため、為替の状況を加味し、国産品と輸入品のシェアを適時コントロールしている。
 原材料調達は基本的に1アイテムににつき複数のサプライヤーからの購入を原則とするが、1社のサプライヤーから購入する場合もある。ビーフパティーに関しては、国内外5社から購入し、安定供給、ローコストの実現に成功している。
 
日本マクドナルドにおける主な原材料とその調達国は後述の表5のようになっている。

AGPIA(グローバル・ハーチェシング・インフォメーション・アナリシス)
アメリカで開発されたデータベースソフト、それがGPIAである。GPIAとは、パソコンをたたくだけで産地別の原料価格、関税、輸送費などが一目でわかるもので、90年代初頭、日本を含めて世界中の担当者幹部から、15種類に及ぶ品目別のチームに分かれてこの画期的システムをアメリカ国内だけでなく、世界中で使えるようににするために検討を重ねた。各国固有のデータを加えながら、「グローバル・パーチェシング」(国際購買)向けに性能を高め、各国でこのシステムが使えるように改善した。
 さらに、まとめ買いで価格を引き下げるための共同購入システム(グローバル・パーチェシング)を導入。大量発注によりかえって農産物価格を押し上げたりしないよう配慮しながら、そのつど単独購入にするか、共同購入にするかを判断している。「グローバル・パーチェシング」は世界中のマクドナルドと原材料を共同仕入れしたり、世界的スケールでの仕入れ活動を瞬時にやってのける優れたシステムなのである。
 取引企業の情報(規模、取り扱い品目や所在地域の関税、貿易規制、為替変動など)食材の現地価格、調達コストまで瞬時に把握できる。現地での価格がいくら安くても、そこでかかる税金や規制、日本に運ぶまでの運賃がかかればかえって割高になってしまうこともある。したがって、食材などの共同購入がすべてのものに及んでいるわけではないが、共同購入システムは定着しつつある。
 単独で契約を結ぶ場合でも、世界中の店舗網から送られてくる情報は使える。これが凄まじい情報量になる。複数の取引先候補の中から、その時点での総コストがもっとも安くて済むものを、わずか数十秒で選び出し、仕入れ先の決定から決済までを済ませてしまう。
 アメリカのマクドナルド・コーポレーションが開発したこのシステムを、日本マクドナルドが本格導入したのは95年である。
 日本マクドナルドでは、食材などの納入業者と協力。電子商取引(エレクトロニック・コマース)を通じ、互いの情報共有化を図り、在庫を減らす取り組みにも力を入れている。取引業者に提案しながら、国内に限らず世界的に推し進めている。

B 物流システム
 北海道から沖縄まで全国に展開する店舗運営をサポートする重要な業務の1つに、ハンバーガー用原材料の物流がある。マクドナルドでは、急速に展開する店舗網と、マクドナルド独自の徹底した品質管理に対応した最新の物流システムの導入を行っている。
 日本マクドナルドには、配送を専属に行う全国13ヵ所の物流拠点がある。マクドナルドではセントラルキッチン(自社総合食材工場)を持つのではなく、最も優れたメーカーとパートナーシップを結び、ともにマクドナルド用の食材を研究開発する形態をとっている。
 パートナーシップを結んでいるのは、約100社150工場。それぞれの工場で製造された食材が全国13ヵ所のセンターに集められ、仕分け後、全国の店舗へ配送されている。
 配送は1979年、マクドナルドへの配送業務を専属で行うことを目的に設立された(株)富士エコーを中心に全3社で行われている。

・高次元物流システム(ロジスティックス・マネジメント・システム)
 ロジスティックス・マネジメント・システムは、原材料の品質保証から需要予測、受注、在庫管理、配送にいたるまですべてを一元管理するシステムである。日本マクドナルド社と富士エコー本社はオンラインで結ばれ、店舗のISP(インストアプロセッサー)による商品販売情報が各センターを通じて原材料の発注、在庫管理、配送などにダイレクトに活かされる仕組みになっている。

・ 品質を支える数々のシステム
 配送センターにメーカーから入ってきた原材料はQIP(クオリティー・インスペクション・プログラム=品質検査規定)に従い、厳重な品質検査を経て、初めて入庫される。
 また、原材料を守る徹底的な温度管理も行われている。配送センターの冷蔵・冷凍品の入庫作業口は外部からの埃、また倉庫内の流出を防ぐため、エアシェルターで区切られている。
 自動コンベアーにより入庫された原材料は、コンピュータ制御でローテーションと出庫管理が行われ賞味期限が確実に守られるように管理されている。また、冷凍・冷蔵庫内はずべて、中央温度監視装置で基準温度の維持徹底が図られている。

 このように、徹底された流通・物流システムによってマクドナルドの低価格戦略は支えられ、かつ高品質の商品が提供されているのである。

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第7章 マクドナルドの環境活動

7−1 資源、省エネ対策

環境保全問題への取り組みとして、「ケナフ」の使用がまず挙げられる。再生紙を使用しにくい食品関連分野で、木材に代わる紙原料として「ケナフ」を素材にした包装紙の使用ヘの取り組みがある。
「ケナフ」とはアオイ科フヨウ属の一年草で、原産は西アフリカであるといわれ、もともと繊維作物として中国や東南アジアで栽培されてきていた。生育する過程で大量の二酸化炭素を吸収する他、水中の窒素やリンの吸収率も大きいことから、水質の浄化のも役立つと期待されている。歴史的には古代エジプトのミイラを包んでいた布にも、「ケナフ」が使われていたことがわかっているくらい、大変古くからあった植物である。
マクドナルドでは、1998年2月の長野五輪の際、長野県内の店で包装紙などにケナフを試験的に使用した。適応性などが確認されたため、ハンバーガー類の包装紙やパッケージを全面的にケナフ製品にすることを決め、今年の夏から本格的に切り替え作業をスタートさせている。来年末には国内全店舗(約3000店)で切り替わることを目標としていく。

 しかしケナフは、紙に比べ現状ではコストが高い上、将来的には多量のケナフをどのように安定供給するかなどの課題も残されているが、マクドナルド広報部は「森林資源の保護が叫ばれている今、紙の原料を木材資源に依存するのではなく、うまく非木材資源を活用していくことが重要になっている」と述べている。
その他にも、リサイクル運動の推進としては、1990年に環境対策部をつくり、ハンバーガー類の包装を発砲スチロールの容器から紙容器へ代えることをはじめ、100%プラスチック再生の使用、タウパーを60%トレイに使用している。
 
 新しい素材を用いる試みとしてはもうひとつ、ペットボトルのリサイクル制服も注目される。日本マクドナルドでは、ペットボトルから再生した繊維を使ったジャンパーなどを店舗従業員の冬季ユニフォームとして使用している。新ユニフォームは再生繊維「フリース」を使い、ペットボトル15−20本で1着分の繊維ができ、価格は従来品の約半額でコスト圧縮も期待できる。全国に約1500店で展開する店舗で率先して使用し、資源再利用に積極的な企業としてのイメージアップを図る。

 また、省エネ対策としては、エコアイスや、自家発電も行っているが、今最も注目すべきは、マイクロガスタービングの利用であろう。東京ガス、日本マクドナルド、ボイラーメーカーの三浦工業(松山市)の3社は小型、高効率の発電設備であるマイクロガスタービングを使ったコージェネレーション(発電併給)システムを開発、2001年1月にも日本マクドナルドに設置を始める試みである。
 
 マイクロガスタービングとは、都市ガスや灯油を燃料とする次世代の小型発電設備で電気料金が電力会社より割安になると期待されている。開発するコージュネは米キャンプストーンタービング社のマイクロガスタービングを中心に、発電で生じる排熱を回収して温水と蒸気を作り出す設備を組み合わせる。排熱を有効活用するため、マイクロガスタービングを発電だけに利用する場合に比べて、総合効率は70%台に高まる。店舗で利用する電気や温水に加え、コージェネで生み出す蒸気を活用してごみを乾燥処理するので、発電能力は28キロワットである。蒸気の高温を利用するごみ乾燥処理機を接続し、1日あたり50キログラムの生ごみや可燃ごみを減量化する。日本マクドナルドでは、2001年度末で首都圏の5店舗程度に導入し、エネルギーコストの低減につなげる意向である。

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7−2 バリアフリー、消費者にやさしい環境づくり

 少子高齢化社会につれ、障害者や、体の不自由な方にも、マクドナルドを美味しく味わっていただくため、お客様のニーズに合わせ、さまざまな環境づくりが取り組まれている。
 
 まず今夏フランチャイズのマクドナルドの平岸店が北海道札幌市の飲食店ではじめて「札幌市福祉の街づくり条例」の適用を受けた。'バリアフリー店舗'としてリモデルした特徴は、これから迎える'高齢化社会'という社会状況を念頭に置いて実施されたことにある。
 
具体的な「札幌市福祉の街づくり条例」適用の改装内容として、

@ 障害者専用の駐車場を設置。また乗り降りがしやすいように通常の2倍の広さのスペースを確保。
A 入り口を段差のないスロープに変更。また冬季の凍結、雪対策としてロードヒーティングを設置。
B 車椅子でも支障がないように風除室入り口および内部を拡張。
C 風除室入り口にインターホンを設置。従業員がすぐに介護できるようにする。
D 店内通路2箇所を車椅子が通れる幅に拡張。
E 障害者用トイレを新設。
を行っている。
 
 また、札幌市内の一部店舗のみで導入されていた点字メニューを今夏から北海道全店で使用することになったり、障害者の積極的雇用なども挙げられる。企業の身体障害者雇用の法定雇用率は現在1.8%となっているが、マクドナルドでは以前から積極的に採用を進めていて、雇用率は2.77%と高く、障害者の方が元気に働く姿を、全国各店で見ることができる。

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第8章  将来の展望
 
 外食産業で現在マクドナルドは、トップの座を保っているが、これからも永遠に維持しつづけていける保障などどこにもないのである。そこで、持続的繁栄を継続させるための新たな挑戦課題となる戦略が必要となってくるのである。
 
 まず、私達が将来のマクドナルドに提案するのは、現在、未開拓であるシルバー層のマーケットシェア拡大である。具体的には、今まで若い世代をターゲットとしてきた胡椒やマヨネーズなどの強い味ばかりではなく、高年齢層にも馴染みの深い和食の味付けをベースとした醤油や、ダシ味などのメニューを開発し、加えてみるのはどうだろうか。飲み物にも緑茶や抹茶などを加え、炭酸飲料だけではないということを売りにしてもいいだろう。しかし、いくら味付けを変化させても高齢者の好む飲み物を置いても、それはマクドナルドに来て、商品を購入し、味わってからでないと分からないことである。その前に重要なことは高齢者がつい寄ってみたくなるような入りやすい店内環境やイメージを創出することが不可欠である。車椅子や、介護を必要とする身体の不自由な方にも気軽に立ち寄り、快くマクドナルドで食事を楽しんでもらえるような環境作り、つまりバリアフリーの拡大、充実をすべきであると考えるのである。
 
 2つ目に、マクドナルドは、社会貢献となる事業をより積極的に行うべきである。現時点で行っているものは、ハンバーガーの半額セールによるものがあげられる。これは利益が多く出た分のそれをハンバーガーを半額で売ることによって、それを消費者に還元しようとするものである。しかしそれは、マクドナルドのハンバーガーを買いに来る特定の消費者だけへの利益の還元である。限られた対象への貢献は容易にできるが、より会社を開かれたものとし、社会の公器であると考えるのならば、マクドナルドは視野を広げ、ユニセフへの協力や植林事業などを進め、企業が置かれているより広義な意味での環境への配慮をするべきである。それは、企業のイメージアップにもつながることは間違いないのである。
 
 3つ目に、マクドナルドは低価格戦略だけに依存するべきではない。同業種であるハンバーガー業界内では、既に熾烈な低価格戦争は繰り広げられており、それにとどまらず、飲食業界全体でも価格破壊の波は広がりつつあるのが現状である。確かに、この不況のさなかで値段が安いというのは大きな魅力となりうる。しかし、安さの追及には限界がある。どれだけ安くできるかを競争し、価格だけで消費者を釣るという時代には、終止符を打つべきだ。消費者は多少であれば値が張ってもいい物を手に入れたいという気持ちが存在するのである。だから、低価格戦略だけに頼らず、価格以外の魅力開発により力を注ぐべきである。
 
 4つ目に、新業種へ着手してみてはどうかという提案だ。例えば、宇宙食の開発というのはどうであろう。新世紀が到来し、未来に向けて宇宙開発もますます進み、宇宙のどこかに人類が住む日が来るというのも夢だけではない現実の話になりうるかもしれない。そう遠くない未来のために、地球規模だけではないスケールの大きな新しいチャネルの開拓も必要だと考えるのである。もちろん新事業への参入は大きなリスクを伴い、かつてホンダでUFOの開発に取り組んだようになるかもしれないが、常に時代の先端をリードするマクドナルドには挑戦してもらいたい。
 
 最後の提案として、マクドナルドの店舗数を1万店までに増やし、その店舗数の多さを売りにして、銀行と提携し、一部コンビにで展開されているようなATMの設置をしてみてはどうであろうか。そうすれば銀行側も手数料が儲かるし、マクドナルド側も、お給料日の昼休みを利用して、銀行に行く会社員などをATMをおとりにして獲得することができるのではないであろうか。なにも社会人だけではない。それ以外の消費者にも便利なものになるはずである。
 
 上述してきたようにマクドナルドはまだまだ新たな戦略を創出できる可能性を秘めた企業である。いつでも新しい試みに挑戦し、市場の変化に迅速に対応する前向きなしせいをとり、常に、マクドナルドを利用する顧客の満足度が最大であるように努力して行かなければ持続的な繁栄は見込めないといえるであろう。

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おわりに

 私達の世代に最も身近で、現在飛躍的躍進を遂げている企業という事で、今回日本マクドナルドの研究を進めてきたが、成功の影にはやはり徹底したこだわりが随所に見られた。「新しい食文化の創造と拡大」というマクドナルドの企業理念は、この研究を始める前は、いささか漠然としているように思えたが、マクドナルド本社の方にお話を聞いたり、いろいろな資料をまとめていくにつれ、まさにマクドナルドの行うべき事の核心を突くものであると考察を終えて感じている。
20世紀もあと一ヶ月をきり、21世紀、つまり新世紀の到来も目前に迫る今日、日々の食生活を改めて考え、すぐそこにある明日を楽しく過ごすためにも、マクドナルドの新たな挑戦を願い、いつまでも見守っていきたいと私達は今、強く感じている。



表3 1999年末時点のアライアンス状況
ショッピングセンターなど 1092 サービスエリア 3
大学 15 ホテル 2
空港 3 ガソリンスタンド 17
銀行 2 遊戯施設 4
鉄道(駅) 181 企業 2
病院 3 トイザ"ら"ス 52


表4 トレイマットの認知調査
トレイマットを知っている(84%) 84%
知らない(16%) 16%





トレイマットを知っている人(84%)の詳細
必ず読んでいる(21%) 21%
時々読んでいる(56%) 56%
1,2度読んだだけ(3%) 3%
ほとんど読まない(4%) 4%





表5 日本マクドナルドにおける主な原材料とその調達国
ビーフパティ 日本(原料はオーストラリア)、オーストラリア、ニュージーランド
ポテト アメリカ
ピクルス 日本(原料はアメリカ)、アメリカ
ケチャップ 日本(原料はアメリカ)、アメリカ、インドネシア
小麦 カナダ、アメリカ
レタス 日本、アメリカ
フィレオフィッシュ 日本(原料はアラスカ海域、ロシア海域)、タイ
チーズ 日本(原料はオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、ヨーロッパ、日本
てりやきポークパティ アメリカ
チキンマックナゲット アメリカ、中国
オニオン アメリカ
キャベツ 日本
マスタード 日本、イギリス
アップルパイ 日本(原料のりんごは中国)
タルタルソース 日本



参考文献

日本マクドナルド社広報部『McDonalds FAQ』
宮崎 文雄 『マクドナルドの魔術商法』エール出版社 1998年(p.38~41,p82~100)
原田 勉 「競争逆転の経営戦略」 東洋経済新報社 2000年9月1日
加藤勝美『夢見る雑草たち』.株式会社出版文化社 1997年4月15日
日本マクドナルド 『マクドナルドニュースSmile』No.318
日本マクドナルド 『マクドナルドTODAY』 No.21,23
日本経済新聞社 日本経済新聞 朝刊 1993年7月13日 p.16
日本経済新聞社 日経産業新聞 1993年9月6日 p.21
日本経済新聞社  日経流通新聞 1995年12月21日 p15
日本経済新聞社  日経流通新聞 1996年11月7日p.1
日本経済新聞社  日経流通新聞 1997年5月22日 p.23
日本経済新聞社  日本経済新聞 夕刊 1998年5月18日 p.5
日本経済新聞社  日本経済新聞 朝刊  2000年1月6日 p.16
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年01月25日 p.13
日本経済新聞社 日経産業新聞朝刊 2000年2月15日 p.22
日本経済新聞社 日本経済新聞 夕刊 2000年02月19日 p.3
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年03月07日 p.11
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年03月21日 p.11
日本経済新聞社 日本経済新聞 2000年03月14日 p.14
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年03月16日 p.15
日本経済新聞社 日経産業新聞 2000年03月24日 p.9
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年5月18日 p.19
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年06月15日 p.3
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年06月22日 p.12
日本経済新聞社 日本経済新聞 朝刊 2000年06月27日 p.12
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年06月29日 p.23
日本経済新聞社 日本経済新聞 朝刊 2000年07月1日 p.9
日本経済新聞社 日本経済新聞 朝刊 2000年07月9日 p.17
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年07月11日 p.3
日本経済新聞社 日経プラスワン 2000年07月15日 p.1
日本経済新聞社 日経流通新聞 2000年07月20日 p.10
日本経済新聞社  日経流通新聞 2000年9月12日 p.14
日本経済新聞社 日経産業新聞 2000年10月20日 p.14
日本経済新聞社 日本経済新聞 夕刊 2000年11月01日 p.1
日本経済新聞社 日本経済新聞 朝刊 2000年11月01日 p.15
日本経済新聞社  日本経済新聞  朝刊 2000年11月3日 p.11
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日本経済新聞社 日経流通新聞 朝刊 2000年11月21日 p.12
日本経済新聞社 経済日本新聞 夕刊 2000年11月22日 p.9

参考ホームページ
http://www.kenaf.gr.jp
http://www.mcdonalds.co.jp
http://www.saykonet.or.jp/sayko/article/res-news/res-news1.html
http://www.nikkei.co.jp/report/inshoku2.html
http://www.jcr.co.jp/gyokai/9807a.htm
http://dictionary.goo.ne.jp
http://www.jfea.or.jp/kantyo/nousui/21seikigaisyoku/21seikigaisyoku.htm